今更ながらBiSHのオーケストラについて考察してみた
今更ながら BiSHのオーケストラのMVを見ていて色々なメッセージがあることに気がついたので記していこうと思う。
この曲は作詞:松隈ケンタ 作曲:JxSxK & 松隈ケンタでBiSHのメジャー・ファースト・アルバム『KiLLER BiSH』の三曲目に収録されている曲だ。
この作詞作曲コンビはBiSHの多くの曲を生み出していてある意味ヒットメーカーとも言える存在だ。
さて、本題に入る。この曲を出す前にBiSHはメンバーが変わっている。自分も深くは知らないがユカコラブデラックスとハグ・ミィという二人のメンバーがいたらしい。特にハグミィの方はBiSHとして長く活動を続け、このグループにおける大切な存在でもあった。危ない熟女とも言われ、このグループの母なる存在であったのかもしれない。
といことでこの曲をBiSHがメジャーデビューしたタイミング、ハグミィが脱退したタイミング、アユニDを加えてこれから飛躍しようというタイミングで出してきたのにはきっと意味があるように思えるし、歌詞も脱退メンバーへ向けたものと考えるとしっくりくる。
さてまずこのシーン。振り付けはアイナ・ジ・エンドが担当している。ペアで抱き合っているシーン、これはハグミィを連想させる。アイナ本人いわく二人づつで物語性をもたせた振り付けにしているとツイッターでも公言している。この二人づつがどのような物語を持っているかはここでは省略させてもらう。
実はね、オーケストラの曲中、リンリンはずっと死んでるの。
— アイナ・ジ・エンド (@aina_BiSH) 2016年10月2日
私はずっとリンリンを探してる。
ずっとリンリンは寄り添うように私の影となって踊ってる。
落ちサビのときだけ、リンリンは蘇ってきてくれてるの。『忘れはしないよ』って私の腕にしがみついてくれてる。
そんな、振付ですっ🌟 pic.twitter.com/f5yYAkWaUE
そして椅子の演出。
おそらく椅子の数は当初のメンバーの数を表しているのだと思われる。リンリンが二番のこの歌詞を歌っているところにもグッとくる。一番は総じて”こんな姿が見たかった”二番は”こんな姿を見せたかった”言っているようだ。円の外へ出た椅子、逆を向いているリンリンが寄り添っている椅子それぞれ意味がありそうだ。
椅子の数からして現BiSHメンバー及び元BiSメンバーのことを表しているのだと感じる。BiSHの新しい出発を象徴する曲ならそれを乗り越えていくチッチはこのグループのリーダー的存在を表すのか。ただそれを踏み越えていっているあたり何か今後ソロ活動のようなこともあるのだろうか・・・。
アイナが指揮をしているシーン。指揮者の役割同様アイナもメンバーの素を知りそれを振り付けに落とし込んでいる。このグループ一人一人を見てしっかり舵取りをするということではないだろうか。
余談として少しハンター×ハンターのクロロからウヴォーさんへのレクイエムがアイナからハグミィへの送り出しの曲として重なった気がした。ハグミィは生きていますが・・・笑
このシーンはアユニDがドラムを体育座りで一人で見ているシーン。
伝統的なオーケストラにおける打楽器の役割は大きく3つあり、まずは、楽曲にアクセントをつけること。2つ目の役割がクライマックスを作ること。そして3つ目の役割が、多彩な音色を加えるという木管楽器と共通する役割。
ハグミィなき後その穴を彼女が埋められるのかどうかを表していると思われる。やはりハグミィという存在は偉大だが彼女も懸命にBiSHにアクセントを加えようとしているように見える。
オーケストラの後にアユニD作詞の本当本気も出ているので、彼女の想いはこちらの曲に特に託されているように思う。
そして感動のラストシーン
この最後の2カットで一気に鳥肌が立つ。上のカットでは一人(二人?)分のスペースが空けられているが次のカットでそれが無くなっている。偶然とは考えにくい。意図的に空けたのであれば卒業メンバーの場所だと考えられる。2カット目は現メンバーでこれから頑張るぞ!というメッセージかもしれない。
総じてこのMVには色々なメッセージがあり、監督やプロデューサーの渡辺淳之介の遊び心もうかがえる。特に曲の歌詞をひねって歌わせるようなPのやり方なども聴いていて楽しい。
雑誌MdNの記事によるとこの曲は以前から出来ていたようで、ここぞのタイミングで出すことは決まっていたようだ。だとするとこのような歌詞で作っていたのは偶然ではなく、ある程度脱退メンバーが大事なタイミングで出てくることも想定していたのか・・・
オーケストラが多くを考える余地のある大変面白い曲であることは間違いない。
今後のBiSHの活躍に期待大だ。
ps.こちらの野音の映像の最後のシーン。ファンのサプライズに思わずうるっとくる。ぜひ見てほしい!